建設業許可要件の概要

建設業の許可を受けるには、建設業法で定める6つの要件を満たす必要があります。要件は、下記の6つになります。

(1)経営業務管理責任者
(2)専任技術者
(3)適切な社会保険の加入
(4)誠実性
(5)財産的基礎
(6)欠格要件等

(1)経営業務管理責任者

適正な建設業の経営を期待するために、建設業の経営業務について一定期間の経験を有した者が1人必要と定められています。

・法人の場合→常勤の役員のうちの1人
・個人である場合→本人又は支配人のうち1人

許可を取得した後に経営業務の管理責任者が退職し後任が不在になってしまった場合は許可に取り消しになってしまいます。このため、あらかじめ要件を満たすものを選任するなど、事前の準備が必要です。

→経営業務管理責任者の詳細についてはこちらへ

(2)専任技術者

工事請負契約の適正な締結・履行を確保するためには専門的な知識が必要です。このため、営業所ごとに一定の資格または経験を有した者(専任技術者)を設置することが必要となります。

この専任技術者は、一般建設業であるか特定建設業であるか、または建設業の種類により、それぞれ必要な資格等が異なります。また専任技術者は、その営業所に常勤していることが必要です。

→専任技術者の詳細はこちらへ

(3)適切な社会保険への加入

社会保険のうち、健康保険、厚生年金保険、雇用保険にそれぞれ適切に加入している必要があります。

→適切な社会保険の加入の詳細はこちらへ

(4)誠実性

請負契約の締結やその履行に際して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな場合は、建設業許可を取得することはできません。

(5)財産的基礎

建設業許可が必要となる規模の工事を請け負う事ができるだけの財産的基礎を有していることが要件となっています。さらに、特定建設業については、この財産的基礎の要件を一般建設業よりも加重しています。一般建設業と特定建設業の財産的基礎の要件は下記のとおりです。

〇一般建設業
次のいずれかに該当すること。
・自己資本が500万円以上であること
・500万円以上の資金調達能力を有すること
・許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること

〇特定建設業
次のすべてに該当すること。
・欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
・流動比率が75%以上であること
・資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること

(6)欠格要件

建設業を営もうとするものが一定の欠格要件に該当していない事も必要です。

〇法人の場合の役員等とは
役員全員のほか、相談役、顧問、株主等、法人に対して業務を執行する社員と同等以上の支配力を有すると認められるものを含む広い概念
〇個人事業の場合
本人や支配人等

欠格要件は下記のとおり。

・許可申請書類の重要な事項について、虚偽の記載をしたり、重要な事実の記載を欠いたとき
・破産者で復権を得ない者
・不正の手段で許可を受けたこと等により、その許可を取り消されて5年を経過しない者
・許可の取り消しを免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない者
・建築工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼした事等により、営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
・請負契約に関し不誠実な行為をしたことにより営業の停止を命じられ、その停止期間を経過しない者
・禁固刑以上の刑に処せられ、刑の執行が終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
・建設業法、建築基準法、労働基準法等の法令、または暴力団員による不当な行為の防止に関する法律の規定に違反し、または刑法等の一部の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
・精神の機能の障害により建設業を適正に営むにあたって必要な認知、判断および意思疎通を適切に行うことができない者
・営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が欠格要件に該当する者
・暴力団員等がその事業活動を支配する者

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